PSE決済が暗号資産に転換される「3口座三角取引」詐欺、コロンビアで急増
コロンビアで、PSE(ペイ・サクセス・エンプレサ)を通じた決済が、被害者に気づかれないまま暗号資産(USDT)に転換される「3口座三角取引」詐欺が2026年に15%増加しました。購入者が商品代金と信じて送金した資金が、実は別人の暗号資産口座に流れ込み、複数の口座を経由することで資金追跡を困難にする手口です。
詐欺の概要
金融テック企業Vureloのレポートによると、コロンビアでは「3口座三角取引(triangulación de las tres cuentas)」と呼ばれる詐欺が拡大しています。この手口では、被害者がPSE(コロンビアの決済システム)を通じて通常の商品購入をしたと思った時点で、送金された資金が実は暗号資産取引所の別人名義口座に送られ、コロンビアペソからUSDT(ステーブルコイン)に両替され、さらに別の暗号資産ウォレットに移動されるという仕組みです。
手口の詳細
基本的なプロセス:
- 被害者がオンライン商品やサービスの代金をPSEで支払う
- 送金は被害者の口座から実際には暗号資産プラットフォーム上の詐欺師の口座に流れる
- 詐欺師がコロンビアペソをUSDTに両替する
- 資金が別のウォレットアドレスに送付される
- 被害者は取引が完了したと思い込んでいる間に、資金は追跡困難な状態になっている
使用される口座の出所:
- 他人名義で開設された口座
- 不正アクセスで奪取された口座
- 仲介者が手数料引き換えで貸出している口座
被害の規模
コロンビア銀行協会(Asobancaria)が2026年9月7日時点でまとめた統計によると:
- 銀行が受け付けた詐欺関連の異議申し立て額:9,670億ペソを超える
- デジタルチャネルを通じた詐欺が全体の56%(5,415億ペソ)を占める
- そのうち暗号資産関連の詐欺が約25%(約1,350億ペソ)
- 本詐欺は暗号資産未経験者にも被害を及ぼす可能性がある
見分け方と警戒点
危険なシグナル:
- 公式サイトに見せかけた偽のページからの支払い要求
- 税金や公共料金の支払いを装ったページ
- 急いで支払うよう促すキャンペーンや広告
- 銀行による転送確認が必ずしも商取引の正当性を保証しないこと
確認すべき項目:
- アクセスしているページが本当に公式サイトか(直接URLを入力して確認)
- 受取人の名前が正確に表示されているか
- 請求内容(コンセプト)が正しいか
- 公式ポータルで実際に支払いが反映されているか
詐欺防止のポイント
決済前の対策:
- 必ず公式サイトを直接訪問する。リンクや広告からのアクセスは避ける
- 支払い画面で受取人名と請求内容を徹底確認
- 急かすキャンペーン・プロモーションは一度冷静に判断する
- 銀行の転送確認だけに頼らない
- 暗号資産取引が絡む支払いは特に慎重に
不正送金を受け取った場合:
- 受け取った資金は動かさない
- 見知らぬ人からの指示で別口座に移さない
- 銀行か取引プラットフォームに返金を委ねる
- 返金手続きの完了まで待つ
USDT売却時の注意:
- 銀行またはプラットフォームで直接入金を確認してからアセットを引き渡す
- スクリーンショットは証明にならない。必ず入金を自分で確認
- 支払者、被支払者、受取者が異なる場合は特に警戒
- トランザクションID、使用ネットワーク、ウォレットアドレスを記録
記録保管と相談窓口
保管すべき証拠:
- 銀行の取引明細
- チャット・メッセージ
- 広告やオファー
- 支払い証拠
- PSEのCUSコードまたはBre-Bの参照番号
- 暗号資産取引の場合はウォレットアドレスと取引ID
相談・通報先:
- 疑いがある場合は、銀行の調査終了を待たずにコロンビア警察(Policía)または検察(Fiscalía)に情報提供できる
- 不正な口座制限を受けた場合は、資金の出処を説明する書類について銀行に相談
重要な注意点
不正な送金を受け取ることは、それ自体が犯罪参加の証拠にはなりません。コロンビアの金融情報ユニット(UIAF)が疑わしい取引レポートを作成しても、それは告発、司法的証拠、または刑事判決ではないことを理解することが重要です。日常的な購入がこのような詐欺の入り口になる可能性があるため、すべてのPSE取引で警戒が必要です。
情報源: Portafolio