WhatsAppが新機能「Scam Alert」をテスト開始、AI搭載で詐欺メッセージを端末上で検出
メッセージングアプリWhatsAppは8月中旬から、人工知能を利用して詐欺メッセージを識別する新機能「Scam Alert」のベータテストを開始しました。この機能はエンドツーエンド暗号化を維持しながら、端末上でローカルに不正なメッセージパターンを検出し、ユーザーに警告を表示します。
WhatsAppの新機能「Scam Alert」について
機能の概要
WhatsAppは2025年8月中旬より、新機能「Scam Alert」のベータテストを開始しました。この機能は、アドレス帳に登録されていない未知の送信者からのメッセージに対して、人工知能を用いて詐欺的なメッセージを検出します。重要な点として、すべての分析は端末上でローカルに実行されるため、エンドツーエンド暗号化が完全に保持されます。
仕組みと検出方法
「Scam Alert」に組み込まれたオンデバイス機械学習モデルは、未登録の連絡先からの受信メッセージを調査し、典型的な詐欺パターンを識別します。検出対象には、恋愛詐欺(ロマンススキャム)や緊急性を人為的に作り出そうとする手口が含まれます。疑わしいチャットが識別されると、受信者にのみ表示される警告バナーが画面に表示されます。
ユーザーの対応オプション
警告を受けた場合、ユーザーには以下の選択肢があります:
- 送信者をブロックする
- メッセージを報告する
- チャットを信頼できるものとしてマークする
いったん連絡先が安全であると判定されると、その会話に関する今後の警告は表示されなくなります。
プライバシー保護への配慮
Metaは、メッセージの内容がいかなる時点でも企業に送信されないと強調しており、ユーザーのプライバシーが厳密に保護されています。ただし、AIモデルの継続的な改善のため、ユーザーは報告されたチャットの最後の5件のメッセージを企業に送信することを任意で選択できます。
さらに、技術の透明性を高めるため、モデルバージョンとモデルの重みは公開レジストリで提供され、Cloudflareを経由した透明性台帳からアクセス可能です。データ収集にはDifferential Privacyという手法を採用し、個人情報の特定を防いでいます。
詐欺の現状と必要性
この機能の導入背景には、詐欺被害の深刻化があります。米国のFTC(連邦取引委員会)のデータによると、2025年ソーシャルメディアを通じた詐欺は総額21億ドルの損害を引き起こしました。そのうち、WhatsAppを経由した詐欺だけで4億2500万ドルに達しています。
Metaは2025年に1億5900万件のスキャム広告を自社プラットフォームから削除したと発表しており、うち92%はユーザーからの報告前に削除されていました。
今後の展開
現在のところ、「Scam Alert」の広範な導入に向けた具体的な開始日は発表されていません。Meta社は限定的な範囲でのテストを継続し、実際の運用環境において検出パターンの有効性を検証している段階です。
被害を防ぐポイント
- 未登録の連絡先からのメッセージに注意:アドレス帳に登録されていない人からの急な連絡は慎重に対応してください。
- 緊急性を感じさせるメッセージは疑う:急いで行動させようとするメッセージや、個人情報の入力を求めるメッセージは要注意です。
- Scam Alert機能を活用:警告バナーが表示された場合は、安易に信頼せず、ブロックまたは報告することを検討してください。
- サードパーティーの検証ツール:WhatsAppの機能と併せて、端末上のセキュリティソフトウェアの導入も推奨されます。
相談窓口
詐欺の可能性を感じた場合や被害を受けた場合は、各国の関連機関に報告することが重要です。WhatsApp上の違反報告機能を活用し、同時に地域の消費者保護機関や警察に相談してください。
情報源: ad-hoc-news.de