ショック詐欺電話が急増、ドイツで被害額が倍増—高齢者を狙った新手口の実態
ドイツのザクセン・アンハルト州で、高齢者を狙ったショック詐欺電話による被害が急増している。2025年は160万ユーロ以上の被害が報告され、2026年は前年比で約80%事件が増加、被害額も倍増している。警察は被害者が冷静に判断できないよう感情的・時間的圧力をかけるこの手口について、住民への啓発活動を強化している。
ショック詐欺電話とは
ショック詐欺電話は、犯人が電話で架空の緊急事態を演出し、被害者に感情的なパニックと時間的な圧力を与えることで、金銭や貴金属を奪う詐欺手口です。主に高齢者がターゲットとなります。
手口の特徴
初期段階での感情操作
- 犯人は娘や息子になりすまし、泣きながら「事故を起こした」「警察に捕まった」などと訴えます
- 泣き声や叫び声で声が変わり、相手を確認できなくします
- 被害者は衝撃と恐怖で冷静さを失います
権威者による説得
- その後、警察官や弁護士になりすました人物が電話に出ます
- 「保釈金が必要」「罰金を払わないと逮捕される」などと主張します
- ドイツでは実際に電話で保釈金を要求することはなく、これは映画や海外ドラマの知識を悪用した手口です
時間的圧力
- 犯人は1時間以上にわたって被害者を電話につなぎ、考える機会を与えません
- 「急いでください」「すぐに用意してください」と催促します
被害の現状
ザクセン・アンハルト州では:
- 2024年:約96万ユーロの被害(被害者数58件)
- 2025年:160万ユーロの被害(被害者数55件)
- 2026年(1月~9月):被害件数が前年同期比80%増加し、被害額も約2倍に増加
1件の成功事例での被害額は通常5桁以上で、極めて深刻です。多くの試みが失敗に終わりますが、成功すればきわめて高額な被害になります。
関連する詐欺手口
同じく電話を利用した詐欺には「孫詐欺」があります。これも同様に高齢者をターゲットとし、親族のなりすましを通じて金銭を巻き上げます。
見分け方と対策
電話での対応
- 圧力を感じたらすぐに電話を切ります
- 警察や裁判所は電話で金銭や銀行の暗証番号を要求することはありません
- 家族から連絡があった場合、一度電話を切って、自分で家族の本来の連絡先に電話をかけ直して確認します
訪問者への対応
- 公務員や企業の職員が訪問した場合、身分証明書の提示を求め、職員番号を記録します
- 確認が必要な場合は、その企業に直接電話して職員が来ているか確認します
- 警察でも令状がない限り、勝手に家に入ることはできません
疑わしい接触
- 一人で決断せず、信頼できる家族や友人に相談します
- 不安な場合は警察(110番)に連絡します
相談窓口
- 緊急の場合:110番通報
- 詐欺の被害報告:最寄りの警察署
- ドイツの消費者保護機関や高齢者相談センターも支援を提供しています
情報源: MDR