カリフォルニア州ピッツバーグ市が913万ドルのフィッシング詐欺被害に遭う
米カリフォルニア州ピッツバーグ市が、建設企業に偽装した詐欺師によるフィッシング詐欺で約91万3000ドルの損失を被りました。犯人らはメールアドレスに1文字追加して公式メールに偽装し、市の職員メールを不正アクセスして信頼性を高め、虚偽の振込指示を出しました。
詐欺の手口
ピッツバーグ市は2月12日、スポーツ・レクリエーション施設「Dream Courts」の建設を担当するDiscovery Builders Inc.に支払うつもりで913,000ドルを送金しました。しかし実際には、この資金は詐欺師の口座に流入しました。
見分け方と特徴
今回の詐欺には複数の巧妙な手口が組み合わされていました。
メールアドレスの偽装: 詐欺師が使用したメールアドレスには、正規のDiscovery Builders のアドレスに小文字の「L」を1文字追加していました。このような微細な違いは、急いで確認する場合に見逃されやすいものです。
市職員メールの不正アクセス: 詐欺師は市長補佐官のSara Bellafronte氏のメールアカウントを不正にアクセスし、彼女になりすまして市の財務担当職員にメッセージを送信しました。そこで口座情報の変更を指示し、新しい銀行口座への振込を要求しました。
権威性の利用: なりすまし犯は、市の幹部職員が既に新しい口座情報を口頭で確認したと主張することで、信頼性を高めました。
被害を防ぐためのポイント
1. メールアドレスの詳細確認
- 送信元メールアドレスを1文字単位で確認する習慣をつけてください。特に金銭取引に関わるメールでは必須です。
- 正規のメールアドレスを別途記録しておき、比較することが有効です。
2. 支払い指示の多段階認証
- 支払い指示をメールだけで受け付けず、電話等で本人確認を行う仕組みが重要です。
- 新しい口座情報への振込は特に慎重に対応する必要があります。
3. 職員メールのセキュリティ強化
- 強力なパスワード設定と定期的な変更
- 多要素認証(MFA)の導入
- 不審なログイン活動の監視
4. 組織内の通信プロトコル
- 重要な支払い指示は、事前に定めたプロセスに従って確認する
- メールだけでなく複数の方法で本人確認を行う
捜査と回収
FBIが捜査を開始し、18件の捜査令状を発行して116の口座を調査しました。詐欺師は米国内2名、ナイジェリア1名と特定されましたが、逮捕には至っていません。
資金は複雑な口座を経由して流出し、その一部は暗号資産に変換されました。当初、米国内の受け取り人の1人は「Tyco Alloy Industries」という実在しない会社に勤めていると信じ込まされており、詐欺の全容を把握していなかったとみられています。
ピッツバーグ市は約696,000ドルの回収に成功しましたが、約218,000ドルはいまだ回収できていません。
組織の対応
ピッツバーグ市は以下の対策を実施しました:
- 支払い確認プロセスの強化
- 財務ワークフローの変更
- IT人員体制の見直し
- 以降、建設業者からは物理的にチェックを受け取る方式に変更
相談窓口
このような詐欺被害に遭った場合は、以下に報告してください:
- FBI:tips.fbi.gov または 1-800-CALL-FBI
- Federal Trade Commission (FTC):reportfraud.ftc.gov
- IC3(Internet Crime Complaint Center):ic3.gov
- 地域の法執行機関
情報源: California Post