AIが医師の顔と声を偽造、根拠のない健康食品を詐欺的に販売
アルゼンチンで、栄養士や医師などの著名人の顔と声をAIで複製し、科学的根拠のない健康食品を宣伝する詐欺が横行しています。複数の医師が自分たちの身元が無断で使用されたことを確認しており、被害者は偽りの治療法に金銭を浪費するリスクがあります。
詐欺の仕組み
検出された詐欺では、著名な栄養士や医師の顔と声をAIで複製し、実際には言っていない発言をさせるビデオが作成されています。これらのビデオはFacebook広告として配信され、科学的根拠がない「奇跡的な治療法」の購入へと視聴者を誘導します。
ある事例では、5分間のビデオで複数の著名人が、ある医師が開発したという関節痛用のドリンクを推奨する様子が描かれていました。しかし、実際にはこれらの人物はそのような発言をしておらず、すべてがAI生成の偽造です。
詐欺師は一般的に以下の手法を組み合わせます。
- 著名人の信用利用:医師やメディア関係者など信頼度の高い人物の身元を盗用
- 陰謀論の活用:「製薬業界が真実を隠している」などの説を持ち出し、信憑性を高める
- 誘導リンク:ビデオから商品ページへの直結またはAmazonなど大手プラットフォームへの不正なリダイレクト
見分け方
技術的な特徴
AIで生成されたビデオには以下の兆候が見られることがあります。
- 口と音声のズレ:唇の動きと声が一致していない、またはわずかなタイムラグがある
- 不自然な動き:身体の動きが不自然、顔の表情が固い
- 背景や細部の異常:背景に矛盾や歪みがある、耳や髪の描写が不完全
- 話し方の異常:イントネーション、ポーズ、間合いが不自然である
内容面での確認
- 医師のキャラクターに合致するか:その医師が実際に同じようなタイプの製品を宣伝するか確認する
- 公式発表との照合:医師の公式SNSやメディア出演で同様の情報が発表されているか確認
- 医学的信ぴょう性:"奇跡的治療""万能な食品"など、医学的に疑わしい主張がないか確認
陰謀論の警告信号
以下のような表現が含まれている場合は詐欺の可能性が高いです。
- 「医師は知られたくない事実」
- 「医薬品業界が隠している」
- 「テレビでは報道されない」
- 「これだけで複数の病気が治る」
被害を防ぐポイント
- 医療情報は公式筋で確認する:健康に関する重大な決定は、医師の直接診察や公式な医療機関の情報に基づいて判断する
- SNS広告の鵜呑みを避ける:とくにFacebookなど広告審査が完全でないプラットフォームの医療広告には警戒する
- 既存治療の中断を避ける:SNS上の情報を理由に処方されている治療を中止しない
- 急かされることへの警戒:「限定供給」「今だけ」といった緊急性の表現は詐欺の典型的な手口
- 複数のソース確認:ひとつのビデオや広告だけで判断せず、複数の信頼できる医療情報源で検証する
相談・報告窓口
- アルゼンチン:医療関連の詐欺被害は患者権利オンブズマン、消費者保護機関に報告可能
- Facebook/Meta:詐欺的な広告を「報告」ボタンから直接通報
- 医療機関:自分の診断に関わる重大な決定前に、必ず主治医に相談する
- 国の医療当局:疑わしい治療法や無許可の医薬品の販売情報を報告
情報源: Chequeado